産後は慣れない育児に追われて自分のケアが後回しになりがち。「ゆっくりスキンケアをする時間なんてない」というママは多いのではないでしょうか。
しかし、産後の肌はとてもデリケートで、トラブルが起こりやすいと言われています。
実際、出産を機に肌の調子が悪くなったと感じているママは少なくありません。
そこで今回は、産後の肌トラブルの原因と、忙しい育児の合間にできるスキンケア方法についてご紹介します。
どうして産後は肌が敏感になるの?
産後の時期に関わらず、どうして肌トラブルが起こるのか正しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。
正しいスキンケアをするためには、正しい知識が必要です。
そこで、ここから肌の基本構造を踏まえながら、産後の肌にトラブルが起こりやすい原因についてご紹介します。
知っておきたい肌の構造
私たちの肌は大きく分けて内側から皮下組織、真皮、表皮の3つの部分に分かれており、表皮の最も外側に「角質層」と呼ばれる部分があります。
角質層はさまざまな外部刺激から肌の内側を守ると共に、肌内部の水分が蒸発しないように蓋をしてうるおいを保つ役割を果たしています。
これが、いわゆる肌のバリア機能です。
バリア機能が正常に働いていない肌は、内側から乾燥し、紫外線や花粉などの外部刺激に敏感に反応するようになってしまいます。
その結果、赤みや痒みが生じたり、肌トラブルが起こりやすくなってしまうため、潤いのある健やかな肌を保つためには、肌のバリア機能を正常に保つことが必要不可欠なのです。
バリア機能とターンオーバー
私たちの肌の中では、日々新たな細胞が生まれています。新しい細胞は分裂しながらどんどん肌の表面まで進んでいき、最も外側にある角質層まで押しあげられると、垢となって剥がれ落ちます。
このように、肌の細胞が一定の周期で生まれ変わることを肌のターンオーバーと言います。
しかし、何かのきっかけで肌のターンオーバーが乱れて角質層が古いままになってしまうと、肌のバリア機能が正常に働かなくなってしまいます。
その結果、肌内部の水分が失われると共に、外部刺激からも影響を受けやすくなるので、肌トラブルが起こりやすい状態になるのです。
ターンオーバーを規則的に繰り返してバリア機能を正常に機能させることは、潤いのある美しい肌を維持するためにとても大切なことだと言えます。
産後に肌のバリア機能が低下する原因
理想的なターンオーバーの周期は28日と言われていますが、ターンオーバーは女性ホルモンや食事内容、睡眠時間などに大きく影響を受けています。
したがって、産後の急激なホルモンバランスの乱れや、育児による睡眠不足などにより正しくターンオーバーが行われなくなると、角質層の構造が乱れてバリア機能が正常に機能しなくなってしまいます。
その結果、肌が敏感になり、肌トラブルが起こりやすくなるのです。
乱れたターンオーバーを整えるには?
産後の肌はターンオーバーの周期が乱れてバリア機能が低下し、乾燥しやすい状態になっています。
乾燥をそのまま放置しておくと、更なる肌荒れを引き起こして負のスパイラルに陥ってしまうので、こまめに保湿をして外側からターンオーバーを整えてあげるようにしましょう。
また、睡眠不足や栄養が偏った食生活などもターンオーバーの乱れを引き起こす原因になります。
育児は24時間体制なので、まとまった睡眠やバランスの良い食事をとることはなかなか難しいでしょう。
しかし、肌トラブルはそれ自体がストレスになりますし、頑張りすぎてママが体調を崩してしまっては元も子もありません。
そこで、産後の大変な時こそ、家族や外部のサービスを頼りましょう。
例えば、パパがお休みの日は夜泣きの対応を代わってもらってしっかりと眠る、宅配のミールキットなどを活用して手軽に栄養バランスが整った食事をとる、などちょっとした工夫をすることで生活習慣は大きく改善します。
肌には直接関係ないように見えますが、睡眠や栄養をしっかりとって、体の内側からターンオーバーを整えてあげましょう。
忙しくてもできる肌ケアのコツ
バリア機能が低下して乾燥しやすくなっている産後の肌をケアするには、保湿が何よりも大切ですが、産後は赤ちゃんのお世話が最優先になるので、どうしても自分のことは後回しにしてしまいがち。
「今度ゆっくりケアしよう」と思いながら、時間ばかりが経過し、気が付いたら肌がボロボロなんて話もよくあることです。
毎日まとまったスキンケアの時間を確保することは難しいので、育児の合間に、もしくは、育児をしながらスキンケアをするようにしましょう。
1番簡単な方法は、入浴後や朝の洗顔後にパックをする方法です。
入浴後は赤ちゃんのスキンケアや着替えで特に忙しいのですが、赤ちゃんを拭いてタオルでくるんだら、とりあえず自分の顔にパックを貼りましょう。
そうすれば、赤ちゃんのお世話をする時間がスキンケア時間になります。
使うパックはドラッグストアなどで市販されている手頃なものでかまいません。
大切なのは、毎日続けられるかどうかなので、自分の肌に合っていて、毎日使っても気にならない価格帯のパックを選ぶことがおすすめ。
本当に忙しい場合はパックだけでも良いのですが、余裕があればパックの前に化粧水をつけたり、パックの後に乳液やクリームで蓋をしてあげると更に効果的です。
まとめ
産後はホルモンバランスの急激な変化や生活習慣の乱れによって、肌のターンオーバーが正常に働かなくなり、トラブルが起こりやすい状態になっています。
赤ちゃんのお世話が最優先なのでどうしても自分のことは後回しになってしまいがちですが、産後のスキンケアをするかしないかによって1年後5年後の肌が変わる可能性があります。
将来後悔しないためにも、育児の合間にできる手軽なケアから始めてみてはいかがでしょうか。